中世復興

第8回シンポジウム オンライン開催

中世復興

主催 未来哲学研究所
共催 東アジア藝文書院
後援 カクイチ研究所
日時 2024年3月28日(木) 午後3時(15:00)~6時(18:00)
撮影会場 東洋文化研究所(本郷) 3F 第一会議室にて
配信聴講料 2000円
司会 山内志朗
提題
発表1 山内志朗 西洋における中世と近世の間──聖霊論の観点
発表2 法貴 遊 繋辞を持たない言語で、〈ある〉について多くのしかたで語る──カラームから馬性まで
発表3 垣内景子 朱子学における「理一分殊」について
発表4 佐藤弘夫 聖霊から幽霊へ──闇から現れるものたち

近世哲学は心身二元論の枠組みで展開されてきたと整理できる。しかしながら、精神的原理は魂と霊というように個別的な側面と一般的な側面が峻別されてきたわけで、二元論的整理は馴染まないと言える。むしろ、霊・魂・肉という三元論と整理した方がよい。
 中世復興とは、聖霊主義、心霊主義、神秘主義という近世が破壊しようとしながら、底流に存続してきたものを考え直す試みとして捉えられるかもしれない。近世以降主流となった心身二元論、霊肉二元論に限定されることなく、合理主義的な枠組みが葬り去ったものを蘇らせることと換言することもできる。
 そういう傾向は、日本思想や西洋思想においてのみならず、中国思想においては理気二元論に覆われてしまいがちな鬼神論、スコラ神学における聖霊論、イスラームにおいては哲学と宗教という対比とは別に神学(カラーム)の存在など、二元論を越える枠組みが様々に見出されるように思われる。
 このシンポジウムは全体を総括するというよりは、未踏に留まっている領野にいくつかの試掘の溝を掘ることを目指す。その試行的企みは、二元論が基礎としている均衡(equilibrium)への復帰に向かうのではなく、もしかすると、起源としてあるかもしれない非均衡・揺らぎという枠組みに結びつき、そしてそのことが、「中世復興」という枠組みと結びつくかもしれない。
 今回のシンポジウムでは、合理主義的な二元論の枠組みが覆い隠してきたものを明らかにすることで、未来への視座をテキストの細部に宿るものを見つめつつ探りたいと思う。



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